2009/11/15 この運命。

11月になっていました。またしても放置になっていました。
実は先月末、父親ががんであることが分かりました。そのときからの気持ちをどう表現すればいいのか、自分でも分からないです。
病気に関しては、自分自身が患者であることと、医療を仕事にしていることから慣れているといったらおかしいけど、冷静に対応できるけれど、でもこんなにも感情が溢れるものなのかと思いました。病気になるのはこんなにも深刻で辛いことなんだと初めて感じました。
家族の動揺、様々な感情を受けとめていて、自分の闘病のときは知ることのなかった家族の辛さを知ったり、今まで接してきた患者さんの家族の思いを自分は本当の意味では理解できてなかった、あの時分からなかった言動の意味が分かるような気がすると思ってみたり。
ただの家族としての自分、患者としての自分、MSWとしての自分。色々な自分がいる。

家族として見たがん治療の残酷さ、「選べる」といっても絶対に完璧に治る治療法はある意味ではない。「可能性がある」「副作用が出るかもしれない」「体質による」「やってみなければわからない」…選択肢がこれで、本人の体力、病状を考えたら一体何回やり直しが効くのか。本当にこれが「選択肢」と云えるのか。
あまりにも切ない。見るだけしか出来ないけど、その見るもの、見えるものだって全然ない。霧の中。この先に何が待っているのか分からない。
多くの人がなっている。でもこれはたった一人の人の運命。症例でも、パーセントでもない。ただ一人の存在。

父ががんセンターに通うっていうのが何だかすごく不思議な感じ…。「家族割ってないの?」とか云っちゃう私と母はがんセンターに慣れ過ぎ…(笑)。
自分自身は改めて病気そしてがんに対する思いや考えがありますが、家族にしてみたら頼もしいプロ、患者にしてMSW、がんセンター道12年のベテランなので(笑)父はもちろん母達をサポートするよう頑張ります。
本人はもちろん家族内でもそれぞれ精神的なストレスや様々な感情が溢れてきていて辛いと思うので、そういうことをうまくフォローしていきたいです。

MSWになったとき、医療相談をやってたくさんの患者さんと会って色んなことをしている先に、いつか自分と会うんじゃないか、というようなことを思ったのですが、もしかしたらそれが今なのかもしれないと思ったりします。
病気はいつも私に教えてくれる。足りないものを、家族に必要なものを、自分自身の弱さと強さを、そして希望を。
今度は家族として病気を乗り越えていきたいと思います。頑張ります。



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