11月20日(土)
東京駅から新幹線やまびこで一ノ関へ行き、東北本線で平泉へ。写真は平泉駅前。東京に比べたら随分冷えるけど、日があるのと割合暖かくもあり、終わりごろだけどまだ紅葉もあったり、ちょうどいい気候かも。

平泉といえば、奥州藤原4代。黄金と仏教で作られた独自の文化と世界観、けれどもたった4代でまるで滅んでしまったという歴史の結末。
藤原氏の政庁だったという柳之御所跡と資料館にまず行ったけど、本当に「跡」という感じで、どんな栄華もどんな悲劇もすべてが消えるわけではないけど、忘れられるわけではないけど、淡々とした「跡」になる歴史の流れの大きさって切ないような気もするけど、癒しでもあるような気もする、とか思ったり。

柳之御所から高館・義経堂へ。源義経が自害した場所。坂と階段が延々と続いて、そこをひいひい云いながら登ったら、小さなお堂と中に義経像。
11月21日からは冬季閉鎖になるので(今日20日)見られてよかったー。1日ずれて見られないとか寂しすぎる…。

後世から「歴史」として眺めている冷静さもあると思いますが、私は義経が悲劇の英雄で頼朝が冷酷で冷血な人だとはあんまり思わないです。そのときそのときに彼らが彼らの価値観、正義、戦略でとった行動が歴史のひとつの流れとしてひとつの結末に辿り着いたので、後世の人間としてはただ淡々とその事実を受け止めていくしかないなあ、と。

しかし高館の高みから北上川の悠々とした静かな流れを見ていると、何だか諸行無常の気持ちで切なくなってきますです。必死に戦ったことも、散った多くの命も、そのとき見えていた新しい時代も、希望も野望も、今でははるかはるか遠くに流されて、もうどんなにしのんでも嘆いても決して何も戻らない。
川の流れって、人の人生や歴史に例えられるけど、それが何かすごくよく分かるような気持ちになりました。

松尾芭蕉「奥の細道」の碑。「三代の栄耀一睡の中にして」、「衣川は、和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落入」、「功名一時の叢となる。国破れて山河あり、城春にして草青みたりと、笠打敷て、時のうつるまで泪を落とし侍りぬ」という文がすごく分かる、すごく心に入ってくる。本で読んでただけでは分からなかったけど、すごく松尾芭蕉の気持ちが分かる…とか思いました。

中尊寺に向かう前に遅いお昼。こだわりのお店らしいおそばやさんへ。本格手打ちなので時間がかかります、って本当に時間がかかりました(笑)。疲れたのとお腹すいたのとでちょっとぼんやりしてしまったり。

民家風の綺麗な店内。
そして待ちに待ったおそば。釜揚げそば。寒いなかずっと歩いてきたので、温かいそばが非常に嬉しく体にしみました。

中尊寺の手前にある武蔵坊弁慶のお墓。

本日のメイン中尊寺の入り口のあたり。3時過ぎて日が傾きかけて眩しい。でも空気はしんしんしてる。紅葉が綺麗。

落ちた紅葉の散り敷かれた山道の参道をえんえんと辿り、本堂を参拝。そして金色堂へ。階段の上に見えている覆堂の中に金色堂が入ってるそうで。どうでもいいけど、この構図何かで観たことあるなあ…と思ったら「サザエさん」のオープニングだった…(笑)。

金色堂は覆堂のなかでガラス張りの向こうにあって、壇を思いっきりアップで撮ってる観光用写真を見慣れた目には小さいなあという印象。お堂の外側は金閣寺みたいなぺかぺかな金色。しかし中の細工の精緻さ、密な輝きの美しさ、存在感のすごさ…。本当に気おされるくらいの美しさでした。金属とも鉱物とも違う、やわらかい、でもあでやかな緑とも青ともつかない光り方をする夜光貝、螺鈿の細工の浮き出すような美しさ。透けるほどに細かい手の込んだ金の細工。ここには一体どれほどの願いが、思いが込められているんだろう…平和への祈りか、一族の未来へ続く栄耀栄華の願いか、多くの戦で失われた者への弔いか。
この金色堂を造った藤原氏の初代・藤原清衡は前九年の役のさなかに生まれ、7歳のときに父・経清が殺され(陸奥守兼鎮守府将軍の源頼義により鈍刀で斬首というひどい殺され方。ちなみに大河ドラマでは世界のケン・ワタナベが経清役でした)、母方の一族・安倍氏が滅亡。その後も後三年の役では異父母兄と戦をしたり、異母弟に妻子、その眷属を皆殺しにされたりしてようやく奥州を手に入れたという人なので、鎮魂の思い、平和を願い心の救いを求める思いも深くて切実なんだろうなあ…と切なくなりましたです(ちなみに大河では村上弘明が清衡を演じてて、当時はまだ人気出てなかったトヨエツが異母弟・家衡役でした。さらに云うなら異父母兄・真衡は萩原流行。すごい兄弟だ←大河ドラマ大好きっ子ですいません。笑)。

中尊寺の参道の紅葉。本当に散り敷かれるという感じで、鮮やかでちょっともの寂しく綺麗。

その後平泉町内循環バス「るんるん号」(笑)で毛越寺近くの旅館まで帰ってきました。歩き回ったので疲れた…。
旅館がいかにも旅館って感じで、部屋入ったら玄関があって、ふすまがあって、畳敷きの部屋で、窓際には椅子と冷蔵庫みたいな。うーん旅館って感じ。いいなあ。
夕飯前にとりあえず温泉へ。お子さんが水泳大会繰り広げてて閉口しましたが(笑)、やっぱり温泉はいいなあ!足伸ばして湯船につかってぼんやりぼーっとするときの至福ときたら。ああ幸せだなあ…。温まり方が普通のお風呂とは違う感じがする。芯からぽかぽかしていい気持ち。この温泉、看板によると病後の疲労回復、慢性婦人病、慢性皮膚病等々に効く上に「子宝縁結び」にも効果があるそうで(笑)。本当かよと突っ込みつつ念入りに入ってしまう私。

そして夕食!です!(じゃじゃん)

炊き込みご飯に、かぼちゃの煮付け、刺身にてんぷら、酢の物、茶碗蒸し、そのほかおかず色々。色とりどり旅館のお膳のご飯。目に楽しく、味も美味しい。刺身がすごく美味しかった。あと煮付けとかも全体的に品がいい美味しさでうっとり大満足。ただてんぷらが普通にレンコンとか海老とかでいいのに、ふかひれと朝鮮人参とかぼちゃのてんぷらでした。なぜ…その素材はなぜ…。ふかひれも朝鮮人参も何か別にてんぷらにしなくても…?みたいな微妙さでした。素材のよさがいまいち伝わってこないような…?でも健康に良さそうで珍味というところがちょっと気に入る私(笑)。

メインディッシュの前沢牛!旅館の食事に必ずといっていいほど出てくる固形燃料(笑)使った鉄板で自分で焼いて食べられるんですよ。豪勢!肉が厚いんだけど、やわらかい。滋味というか噛めば噛むほどという感じで美味しい。高級牛は違うなあ!何この口の中に広がる幸福感(何者だ私。笑)みたいな。いやでも本当旅館のお膳って豪華で綺麗で美味しくていいなあ。大満足…。

その後、部屋で好きなだけごろごろまったり出来るのが旅館のいいところ。再び温泉に入り(今度はお子さんがいなかったのでまったりじっくりつかってきました)ぽかぽかになって、部屋に帰ったら布団が敷いてあるのも旅館ならではって感じでいいですよね。ああ贅沢な感じーと布団でごろごろを堪能。しかし浴衣は相変わらず着慣れないのですぐにべろんべろんにはだけてしまいますですよ…(笑)。

こんな感じでまったり(でもない、結構な距離を歩いた!)一日目が終わりました。
明日は午前中は平泉で毛越寺見て、午後は花巻です。うきうき。


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